HOZUBAG Mfg. × ALIGN<br>役目を終えたパラグライダーの再生

HOZUBAG Mfg. × ALIGN
役目を終えたパラグライダーの再生

 「廃棄になったパラグライダーの生地を集めている工場が京都にあって、良かったらそこと何かモノづくりしてみませんか?ALIGNと合うと思って。」

突然、知り合いのデザイナーから連絡があり、そこで初めてHOZUBAG Mfg. の存在を知りました。

 

About “HOZUBAG Mfg. ”

「世界で約10万人以上の競技者がいるパラグライダーですが、飛ぶ役目を終えたパラグライダーの行き場はなく、保管しておくか廃棄するしかない状況です。HOZUBAG Mfg.は厳しい安全基準によりリユース不可となったパラグライダーを回収、全て手作業で解体・裁断する拠点を作り、地上資源を循環させるプロジェクトです。全国各地のパラグライダー教室と連携して、京都府亀岡市にある工場に集められたパラグライダーは細かな手作業を経て、新たなプロダクトとして再生し、世界へ向けて出荷されます。HOZUBAGという名前は亀岡市の清流、保津川からつけられており、川のように流れ続け、水のような自然な循環を生み出したいとの思いが込められています。」

当時、まだどんな生地かも見てない中で直感的に「面白いことができるかも」と、ワクワクしたことを覚えています。 

一方で、「サスティナブル」、「アップサイクル」などの言葉が業界内を席巻するようになった今。この取り組みもその一端を担うことになると思いながらも、今の傾向や雰囲気に違和感を感じていた側面もありました。

その重要性は理解してますが、“あるべき論“が先行してしまい、どこか堅苦しく、まず"格好良くあるべき"ファッションとの親和性にも乏しいと感じていた為です。

そんな葛藤を抱えながら目指したのは、この取り組みを「プロダクトとして魅力的で、社会的な意義もあるものにすること」でした。

期待感とモヤモヤを同時に抱えながら、まずは実際にパラグライダーの生地を見てみることになりました。

経年によってついた汚れ、新品では見れない使い古された生地特有の柔らかな風合い。

競技用に使用されてきた名残を確かに残しながら、どれも鮮やかな発色を持っていて、コンテポラリーな雰囲気さえ感じさせる生地のコレクション。

気づけば抱えていた不安は消え、その魅力に、心を掴まれていました。
 
非常に薄くて、軽く、丈夫なリップストップナイロン。

その美しい見た目もさることながら、触れてみると、実用性にも富んでいることも容易に察せました。


そこから企画立案までの流れは速く、この生地の魅力を活かしながら、ALIGNらしさも反映させた、都市とアウトドアの両シーンで活躍する5つのプロダクトを製作することになりました。

しかし、実際にどんなアイテムを作るか、配色にするか。
数多ある選択肢から1つのコレクションにまで落とし込んでいくのは簡単ではありません。型については数十にのぼる企画を出し、工場との打ち合わせを重ねて少しずつ絞っていきました。

型が決まればパターンと配色。

そもそも全国にあるパラグライダーの教室からHOZUBAG Mfg.に集められる生地は、どんな生地がいつくるか、がアンコントロールな為、今工場で保有している生地の中から、どういった配色にすべきか、を入念に検証していきました。そこから部材、縫製、タグ、コストの調整、など細かい作業と確認を繰り返し、少しずつコレクション全体の輪郭が見えるようになっていきました。


辿り着いたのが無垢なグレーを基調としながら、型ごとにビビットなカラーを取り入れたラインナップ。雑多さとモダンさを同時に感じれるようなアプローチを意識しました。

ITEM : MULTI CASE - S 

PRICE : ¥3,960-

ITEM : MULTI CASE - L 

PRICE : ¥4,950-

ITEM : TISSUE BOX CASE 

PRICE : ¥4,180-

ITEM : KNAPSACK

PRICE : ¥6,600-

ITEM : TOTE BAG

PRICE : ¥7,260-

 都市生活からアウトドアレジャーまで、シーンを超えて楽しんでいただけるカプセルコレクションとなりました。

こんなライフスタイルの人に、という明確なイメージもありませんので、先入観なくフラットにご自身の日常と照らし合わせてみていただければ幸いです。

また、このコレクションを一層楽しんでいただく為に、単にモノを見るだけでは伝わらないHOZUBAG Mfg.が持つ独自の哲学や魅力にも触れていただきたいと思いました。

京都の亀岡市にある工場にお伺いし、モノづくりの裏側にあるストーリーについて工場長の武田幸子さんにお話を聞きました。

HOZUBAG Mfg.の工場に隣接する、"KIRI CAFE(キリカフェ)"も武田さんが運営するカフェ。センスの良い古道具に囲まれた開放的な空間には国内外から多くの人が足を運んでいる。

_____それではまず、HOZUBAG Mfg. がスタートした経緯について教えてください。

武田 : 「亀岡市が2018年12月に"かめおかプラスチックごみゼロ宣言"を発表したのがきっかけです。その取り組みを広めるため、エコバッグを配るのではなく、作る型のワークショプのイベントを”かめおか霧の芸術祭”で行いました。一時的ではなく、長期的に取り組むプロジェクトとして始まりました。」

_____ありがとうございます。流れについては理解できましたが、パラグライダーのリユースに目を向けたきっかけはなんだったのでしょう

「亀岡にはパラグライダーのスクールがあり、キリカフェ近くでは飛んでいる風景を見ていた時に、“空を飛んでいるこの生地って、軽くて丈夫そうだからバッグを作るには良いかもしれない”と、ふとメンバーが思ったのです。

ちょうどパラグライダーをしている知人がいたので相談すると、パラグライダーは厳しい安全基準があって数年で使用禁止となり、使用できなくなった機体は、競技者が自宅で保管するか、廃棄処分されている現状を知りました。そこからたくさんの協力に恵まれ、生地も集められることになり、使用できることになりました。」

_____すごい。偶然が重なったんですね。

「その生地を使った市民のみなさんとのワークショップは想像以上の反響で、そのイベントを一度きりでなく、本質的な問題解決をするためにも、バッグを商品化し、資源循環と生産拠点をつくろうと、亀岡市がクラウドファンディングをして、今の工場ができました。工場があれば市民の方々も働け、亀岡市内で知恵やお金が循環する。環境問題を考える時、文化芸術の力を借りながら経済も回す方法を考えようと。 “地上にあるまだ使える資源を回そう” という思いをイメージした時にプロジェクトのメンバーが思い浮かべたのが “水” でした。水は川から海に流れて、蒸発して、雨になって、また循環する。そのイメージから亀岡にある“保津川”の名前をとり、HOZUBAG Mfg. が誕生しました。」

_____モノづくりをする上で大変なことや、こだわりのポイントなどについてお伺いできますか?

「パラグライダーの解体は手作業で行っています。それぞれ機体のパターンが違っても、手作業なので問題なく解体できます。人の手を使えば、ゴミにならずに済むものが沢山あり、それぞれのパーツも再利用できる。基本的に産廃に出るものって、分類したり管理することが大変で、勿体無いと思いつつも、仕方なく起こってると思うのですが、それが、この工場では楽しみながら仕事にできるところが良いと思っています。」

____工場って何となく受け手としての印象がありますが、HOZUBAG Mfg. には能動的な意思があり、発信者としての側面も感じました。これからの展望についてもお伺いできますか?

「まだ始まったばかりで手探りの状態ですが、今回のようにいろんな方たちと一緒にモノづくりをする機会を通して、いろんな可能性を広げたいと思っています。

また請け負う作業をするだけの場所ではなく、もう少し開けた場所にしたいと思ってます。作業工程を見学していただいたり、体験してもらうことで生まれる新たなアイデアや気づきがあると思うので、もっといろんな人が遊びに来れるようにオープンにして行きたいです。」

____それは楽しみですね。ではモノづくりとして挑戦してみたいことはありますか?

「他にも魅力的なパーツや素材がまだまだたくさんあるので、それを活かした商品を展開していきたいです。」

____最後に、"サスティナブル"、"アップサイクル "という言葉が席巻する今の時代において、”良いモノづくり”ってどういったことだと思いますか?

「全てがクリアで正しい方法を最初から選ぶことは難しいけど、今ある選択肢の中でより良い方法を考えて試してみたり、試して良くなかっても、また違うやり方を、考えて続けることが大切だと思います。」

ひょんなやりとりから始まったこの企画。

単にプロダクトを製作すること以上に、考えさせられることが多い取り組みとなりました。”サスティナブル”、"アップサイクル"これらのワードにやや偏見を持ちながら、できる範囲で意識して挑戦したこの取り組みでしたが、終わってみれば想像以上に清々しく、気持ちの良い感覚がそこにはありました。

まずはフラットにこの企画、プロダクトを楽しんでいただきたいと思いますが、ご覧いただく皆さんにとっても何か考える一つのきっかけになれば幸いです。

コレクションは現在阪急うめだ本店にて開催中のALIGN POP-UP SOTREとWEB STOREにて限定販売中です。

是非、この機会にご覧ください。

WEB STOREで商品を見る

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URBAN⇄NATURE
HANKYU × ALIGN POP-UP STORE

現在、期間限定ポップアップストアを阪急うめだ本店にて開催中です。

会場には、ALIGNがジャンルレスにセレクトしたブランドの秋冬物に加え、そこでしか見れない3つのスペシャルコンテンツをご用意しました。 

ぜひこの機会に皆さまのお越しをお待ちしております。

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INFORMATION

■会場
阪急うめだ本店 8F
大阪府大阪市北区角田町8-7 大阪梅田ツインタワーズ・ノース
・阪急「大阪梅田」駅から徒歩約3分
・阪神「大阪梅田」駅から徒歩約3分
・JR「大阪」駅から徒歩約4分
・大阪メトロ御堂筋線「梅田」駅から徒歩約2分
・大阪メトロ谷町線「東梅田」駅から徒歩約2分
・大阪メトロ四つ橋線「西梅田」駅から徒歩約6分
・JR東西線「北新地」駅から徒歩約8分

■期間
11/9(水) - 11/22(火)

■営業時間
10:00 - 20:00

ポップアップの詳細を見る

 

 HOZUBAG Mfg. 工場長 武田幸子

WEB : https://hozubag.com/
Instagram:https://www.instagram.com/hozubag/?hl=ja (HOZUBAG)  /  https://www.instagram.com/kiricafe/?hl=ja (KIRI CAFE)